マウスピース矯正は目立ちにくく取り外しができるため多くの方が選択される矯正治療法ですが、マウスピース装着中は「喋りにくい」「滑舌が悪くなる」と感じる方もいます。今回は、マウスピース矯正が滑舌に与える影響や、喋りにくさへの対処法、マウスピースを外して会話する際の注意点について詳しく解説します。
マウスピース矯正中は喋りにくい?滑舌への影響と対策
マウスピース矯正中、特に矯正開始直後は、喋りにくさや滑舌の悪化を感じることが多いです。これらは、通常1〜2週間程度で慣れてくるため、時間がたつと解消されることが多いです。これは以下のような原因が考えられます。
➀マウスピースがあることによる口腔内の違和感
マウスピースは薄く設計されていますが、それでも口腔中になかったものがある状態となるため、舌の動きが制限され、発音に影響を及ぼすことがあります。特に「サ行」や「タ行」などの発音で違和感を感じる人がいます。
➁マウスピースの正しい装着ができていない
マウスピースがしっかりと歯に密着していないと、発音時に口内の圧力が保ちにくく、話しにくさを感じることがあります。
➂唾液の増加
マウスピースを装着すると、「異物がある」と認識し、唾液が多く分泌されます。唾液の増加によって口の中が滑りやすくなり、発音がうまくできないことがあります。
➃舌の動きが変わる
マウスピースの存在により、舌の位置や動きが変わり、発音に影響を与えることがあります。特に舌先を使う音を発音するときに、舌の動きがマウスピースに制限され、滑舌が悪く感じられることがあります。
2. マウスピース矯正中に喋りにくさが気になるときの対処法
マウスピース矯正中に喋りにくさや滑舌の悪化が気になる場合でも、いくつかの工夫で改善できる可能性があります。ここでは、日常で実践できる効果的な対処法をご紹介します。
➀発音練習を行う
家で発声練習を行うことで改善が期待できます。特に滑舌が悪くなる「サ行」「タ行」を含む単語を意識して声に出して文章を読むことで、舌がマウスピースのある状態に慣れていきます。
➁水分を取る
唾液の増加で口内が滑りやすくなり話しにくい場合は、こまめに水を飲み、口腔内をスッキリさせることで滑舌の改善が期待できます。また、水分補給は口腔内の衛生環境を保つためにも効果的です。
➂マウスピースに慣れるまでの時間を設ける
マウスピース矯正を始めたばかりの時期は、どうしても話しにくさを感じることが多いですが、1〜2週間もすれば次第に慣れていきます。焦らず、徐々に違和感が薄れるのを待ちましょう。
➃マウスピースを清潔に保つ
マウスピースに汚れが溜まっていると、異物感が増し、より話しにくく感じることがあります。清潔な状態を保つことで、快適に話せる環境を整えましょう。
3. マウスピース矯正中にマウスピースを外して会話をしても大丈夫か
マウスピース型矯正での治療は、1日20時間以上の装着が推奨されており、これを守ることで効果的な矯正が進みます。会話のたびにマウスピースを外していると装着時間が不足し、治療の遅延や計画通りに進まない原因になるため、基本的にはマウスピースを装着したままで会話をするのが望ましいです。
やむを得ずマウスピースを外して会話をする場合には、以下の注意点を守るようにしましょう。
➀マウスピースは長時間外さないようにする
短い会話や必要最低限の時間にとどめるように心がけましょう。長時間外していると、歯の動きに支障が出てしまい、矯正効果が薄れる恐れがあります。
➁外したマウスピースは清潔なケースに保管する
マウスピースを外したときは、直接ポケットやバッグに入れず、専用のケースに保管してください。衛生面の問題だけでなく、マウスピースの紛失を防ぐためにも、ケースを携帯することをおすすめします。
➂飲食を避ける
会話のためにマウスピースを外した後、そのまま飲食をしてしまうと、歯に汚れが残った状態で再装着することになり、マウスピース内に雑菌が繁殖しやすくなります。
喋りにくさがどうしても気になる場合は、歯科医師に相談してみましょう。矯正計画や装着時間について、アドバイスを受けることができます。また、必要であればサポートとして練習方法を教えてもらえる場合もあります。
まとめ
マウスピース矯正中は、初期段階で喋りにくさや滑舌の変化を感じることが一般的ですが、1〜2週間程度で口が慣れてくることが多いです。違和感を軽減するためには、発声練習やこまめな水分補給、マウスピースの清潔を保つなどの対策が有効です。また、外して会話する場合には、装着時間を守りつつ清潔に保つことが大切です。
神戸三ノ宮駅前デンタル矯正歯科では、マウスピース矯正中の不安やお悩みに対して丁寧なサポートを行っています。神戸、三宮周辺で、もし喋りにくさが気になっている方は、お気軽にご相談ください。
監修:神戸三ノ宮駅前デンタル矯正歯科
院長 長谷川教子